トラブルっていうのは、いつでもそんな頃合いを見計らったようにして起こるものだ。


「ちょっとちょっと、聞いてよう」


文句たっぷりの表情を浮かべて優子が私に擦り寄ってきた時は、だから嫌な予感がしたものだ。


「美穂ってさあ、なんかいい格好したがりで、私頭にきちゃったんだけど」
「美穂が?いい格好したがりってどういうこと?」