百人一首は、文化部なのだけれど結構ハードだということがわかった。対戦者と向かい合い、読み上げられた句の下の句を書いた札を取るのだが、相手より早く取るために物凄いスピードで札にタッチする。その一瞬はまるでスポーツでもしているような緊張感があり、私はすぐに夢中になった。


とはいっても、まずは百人一首自体を覚えねばならず、これはこれで苦労した。そのうち自分の好きな句ができて、それを取るためにどこへ並べるか、とか他の札の位置を覚える方法、とか作戦を練るのも楽しかった。


クラブの仲間との交流も増えて、私は少しずつ美穂から離れていくような感じがしていた。