部員が少なくて困っているという話を聞きつけて、私は百人一首部に入ることにした。試合の時に、着物と袴が着られるというのも魅力だった。これで少なくとも下校時は美穂とは一緒にならない。美穂は、石橋君や、他の子達とも話をしたり遊ぶようにしないと駄目だ。


一番避けたかったのは、美穂が「私も入る」と言い出すことだったが、病気のこともあるのだろう、そうは言わなかった。ただ、ちょっとさびしそうな顔をしていた。