「石橋君って優しいし、物知りだし、一緒にいて楽しいんだけれど」
「いいじゃん」
「でも、私は沙代のことも考えたり、ドリカムのことも考えたり忙しいじゃない。石橋君と一緒にいる時間がそれを邪魔する」


また、美穂ったらどうしてこうなんだろう。確かに美穂が石橋君と付き合うようになって、一緒にいる時間は減ったかもしれないけれど、それがお互い友達として付き合うことに影響するはずがない。


「美穂、考えすぎだよ。石橋君だって、四六時中美穂のことばっかり考えているわけじゃないと思うよ。生物部のことだって、他の友達の事だって考えているよ。私だって、優子とか他の友達のことも、将来のこともちゃんと考えようとしているんだよ」


言ってしまってから、あっと思った。