石橋君は、「私に席を外して欲しいんだろうなあ」なんて気を遣って、途中で一人で茶道部の優子のところへ行くことにした。


「あんまり硬くならずに、お茶を楽しんで飲んでくれたらいいよ」
例年、お客さんがあんまり集まらないのでさびしいらしい、と聞いていた茶道部のコーナーは、思いのほかお客さんが入っていて、外で少し待たされた。優子は歓迎してくれて、お茶菓子をサービスしてくれたのは嬉しかった。