美穂と別れて、駅から自転車で家へ帰る道すがら、いつも一緒にいた人が死ぬっていうことの意味を考えようとした。


考えようとしたけれど、どうしてもピンとこなかった。


小学生の頃、おじいちゃんが死んだ。その時は悲しくて泣いたけれど、あんまり後を引かなかったかもしれない。亡くなって、棺に納められたおじいちゃんが、もう笑いも話もしてくれないまま横たわっているのが嘘みたいで、ちょっぴり怖かった。


美穂がそんなふうになっちゃったらどうするんだろう。
私はどうやって受け止めるんだろう。


いや、美穂は絶対死なない! 高校生活を楽しく過ごして、丈夫な体になって、絶対長生きするんだって泣きそうになりながら、自転車のペダルを漕いでいた。