「私も嘘だって言いたいよ。ずっとずっと、沙代と一緒にメロンパン食べたり、遊んだりしたいよ」
「でも、長生きできる可能性だって、方法だって、全くないわけじゃないんでしょ」
「わかんない。でも、発作の時は本当に息が止まってしまうみたいで怖いの。薬をもらって、そのまま眠ってしまったら、次の日もう目が覚めないんじゃないかって何回もそう思った」


美穂の長いまつげが震えていた。死にそうな目になんてあったことのない私は、美穂の感じた恐怖をわかってあげられないもどかしさが苦しかった。