もともと喘息を患っていた美穂は、気胸という病気も併発してしまい、入院することになってしまったらしい。夜毎呼吸困難に陥り、息のできない苦しさで何回か救急車を呼んだ挙句、緊急入院したのだという。


「一応、薬で発作を抑えているのだけれど、長生きのできる体じゃないってお母さんが先生に言われたって。私、病院でお母さんがお父さんに話しているのを聞いちゃって」


美穂は少し涙ぐんでいた。私も多分、そうだったと思う。20歳には死ぬなんて、あと5年もないじゃない。


「うそでしょ」


これだけ言うのがやっとだった。