石橋君との橋渡しは私の役目だった。背が高くて、まじめで、生物部だった。美穂は色白で、見た目もおとなしい感じの子だったので、二人並んでいると草原にいるキリンの親子みたいだった。


「キリンだなんて、沙代ったらひどいよぉ」


美穂は口をとんがらせていたっけ。二人がうらやましくて言ってるだけだよ。周りはそんなふうに美穂を慰めて、でも私は本当は美穂を石橋君に取られたのがさびしかっただけで、なんて口が裂けても言えなくて。


ああほら、懐かしい名前を聞いただけで、私は美穂のことばかり考えるようになっていく。