「ああ、見たことあるよあの人」と美穂。
「ごめんっ、石川さん。この子ったら奥手で」
「いいのよお、まずはタイプかどうか判断していただいて、と」


私と石川さんは、お見合いの席を取り持つ仲人よろしく活発に話を進めた。


「ちょっとちょっと、沙代。私、まだわかんないよお」
「まあ、今日のところは相手を確認しただけでもいいじゃん。だって、美穂は石橋君のこと何にも知らないんだし、返事のしようもないよね」
「まあ、覚えててやってよ」