9月も終りに近くなった頃、ようやく美穂がうちに電話をかけてきた。


「心配かけたね。ようやく来月から学校へ行きます」
「美穂、もう大丈夫なの?」
「うん。沙代はどう?元気にしているの?」
「まあね。それよりも、美穂にいいお話が」
「えっ何何」
「2組の石橋君って知ってる?」
「えーと」
「顔見たら絶対わかるって」