「さすが、勘が鋭い~」


石川さんはあっという間に帰ってきて、私の質問にニンマリ笑った。


「今、本人の了解とって来たから言うけどうちのクラスの石橋君って知ってる?」
「ああ、あの真面目そうな」
「そうそう、ひょろっとして頼りなさげなんだけど、あれで結構いい奴なのよ」


石川さんは指でメガネの端を押し上げて、なぜだか得意げに切り出した。