いつでも美穂は、私の横にくっついていた。登下校時、休み時間、昼食……。これだけ一緒にいると、毎日に変化がなくて疲れてしまう。


さりげなく「今日は中学のころの友達と会うから、先に帰るね」などと切り出せば、悲しそうな顔で「そうなの」。その表情が、別れた後も尾を引いて、結局私は美穂と離れていても、一緒にいるような気分を味わうのだった。


自分の中の余白の部分まで、美穂が侵食してきている。それは、これまで生きてきた15年ばっかりの年月の中で初めて感じた恐怖だったかもしれない。