3月。


私は念願の、東京の大学に合格し美術史を勉強できることになった。親はまだ文句を言っていたけれど、私は「卒業して就職したら、少しずつでも返すから」と頭を下げた。


この約束は、恥ずかしながらまだ実行できていない。東京の生活はお金がかかるし、自分の生活を支えるだけで精一杯だから。