表彰式が終り、帰り支度をしているところへ美穂がおずおずとやってきた。


「沙代、おめでとう」
「ありがとう。来てくれたんだ」
「うん。黙ってきちゃってごめんね」
「ううん、嬉しかったよ」


でも、それは観戦に来てくれたことについての会話で、心の底のほうにくすぶっている感情がなくなるわけではなかったので、私は自分にうんざりした。