石橋君は、ぽつりぽつりと話し出した。


美穂は喘息だけれど、大人になる頃には完治するだろう、と医者にいわれていること。


嘘をついてしまったのは、高校に入ってようやくできそうになった沙代という友達を、自分のほうにつなぎとめておきたかったから、ということ。

「あれは冗談だったのよ」といいたかったけれど、私があまりにも真剣に心配するので、なかなか切り出せずに苦しく思っていたということ。


話を聞いていても、まだ釈然としなかった。


ええ~、美穂、そんな理由で嘘をつき続けていたの?