新聞社の仕事はよほど大変なのか、それとも美穂に対する屈折した思いを吐き出してしまったせいなのか、会がお開きになる頃には優子はべろんべろんだった。


タクシーを呼んで、ふらふらの優子を石橋君が送ることになった。乗り込む前に、石橋君は私につぶやいた。


「美穂のこと、許してやってくれ」


その瞬間、私は高校時代へとタイムスリップしていく気分に陥った。