その山中君と、どうしてだかうまくいきそうになったのである。きっかけは、やっぱり掃除当番で、彼があんまりサボるので一度文句を言ってやったのだ。



「いい加減にしてよ、サッカー・モンキー」



サッカー・モンキーというのは、当番が一緒になってから感じていたことがそのまま言葉になった。中背で、ちょっと痩せてはいるけれど、細い腕とか日焼けした顔とか、くりっとした目、大き目の耳がなんというかサルに似ているなあ、と思っていたから。