~2年前~

中学3年になった私は、受験生で何かと忙しく楽しくない毎日を送っていた。

そんな時に、いつも元気をくれたのが同じクラスだった

田井中太陽(たいなかたいよう)だった・・
わりと中学入学してから仲が良かったため、中2の時に互い遊び半分な感じで付き合い始めたのだ。
それが・・思わぬ悲劇をよぶ幕開けだったなんて
その時は誰も知らなかった――――

『太陽、志望校どーする?』
太陽のすそを引っ張りながら尋ねる。
『そりゃー鈴の行く所に行く。』
そう言って私の後ろに回って押しかかってきた。

でも、太陽はスポーツは得意でも勉強はイマイチでいつも平均点より下、おまけに最下位だった。
それに比べ、私はスポーツはあまり得意とせず、定期テストは必ず400点以上で実力テストは350点以上はいく、そこそこな頭をもっていた。

そんなまったく逆な2人だけが、学年の中で
志望校を決めていなかったのだ。