火葬が終わり
出て来たのは骨だけ


もうお父さんはいないんだ

本当に死んだんだ


そこでお父さんが
もうこの世にいない事を実感し、
初めて涙が流れた



泣き止みたくても
止めれなくて
泣き止もうとすればするほど、
涙が出て


泣きながらお父さんの
骨を拾った





夜になり佐々木から電源が掛かってきた


「はい」

『今終わった。』

「うん」

『今から迎え行く』

「分かった」

『じゃっ』


数十分後
"着いた"っていう連絡が来て
家を出て佐々木の車に乗った



『お父さんにちゃんとお別れ出来た?』

「…多分」

『そっか。』

「でもまだまだ話したい事いっぱいあった」

『ん』

「まだ連れてってもらいたい所いっぱいあった」

『うん』

「まだ親孝行してない」

『うん』

「あのね…お父さんの顔、綺麗だった」

『うん』

「本当に寝とるみたいだったし」

『うん』

「でも…冷たかった…」

『…』

「最後にはお父さん…」

『…』

「骨だけに…」

『もういいよ』

「うざいって思いながら…本当は大好きだった」