「そうして、捨てられたり、傷つけられても、命が助かる場合もあるけど、その子は一生深い傷を背負ったまま生きていかなければならなくなるんだ。」


ぼく達みたいに、大切に育ててくれる人に、巡りあえるなんて、人間の赤ちゃんには、奇跡みたいなもんなんだって!


「でも、パパもママも、この赤ちゃんには、そんな風には絶対したくない。ひなお姉ちゃんや、ムームの時と同じ位、ありったけの愛情をかけて、育てたいんだよ。」


「ひなもムームだって、赤ちゃんの時は、一人じゃ何にも出来なかったんだ。」

今は、トイレは自分で行けるけど、ご飯やお風呂は、パパやママにお世話してもらわないと、無理だもんね。


「それから。パパやママもそうだけど、じいじや、ばあば達は、君達を抱きしめたり話しかけたりして、可愛がってくれるだろ?」


うん!パパとママの事はもちろん。じいじ達の事も大好きだよ。


「この赤ちゃんも、そんな風にして、育てたいんだ。今は、ムームが一番ちっちゃいけど、この子はムームの妹になるんだよ。」


いもうとかあ。そうだね。ぼくも、いつまでも、赤ちゃんじゃいられないんだ。

よし!ぼくお兄ちゃん頑張るよ。赤ちゃんが生まれてきたら、いっぱい、いーっぱい可愛かってやるんだ!