一瞬、悲しみとも悔しさとも呼べる表情が木原の顔に浮かんだ。でもすぐにさっきまでの表情に戻り、あたしに鋭い視線を向ける。
「だから何?つーか、あんたに何がわかんだよ?陽路先輩のこと、あんた何にも知らねえだろ?」
ふ〜ん…。
ショックを受けてるのは明らかなのに、それを事実とは認めないのね。
あたしも木原を見返し、互いの睨みつけるような視線が絡む。
「わかんないわよ、陽路なんて。知りたくもない。あたしはどうしても陽路が気に入らないだけ。手に入れたいもののために障害を排除して、何が悪いの?」
「…っ!ふざけんじゃねぇ!」
木原があたしに怒鳴り、持っていたボトルとタオルを落としてあたしに掴みかかってきた。ってか、掴まれた両肩痛いっての。