「ゴメンお待たせ。まずコレ着て。あたしのだけど大きめだし、大丈夫でしょ?」
不思議そうな顔をしている恭汰に、ウインドブレーカーを手渡す。あたしには大きめだから、恭汰のサイズにはちょうどいい感じ。
「あとコレ。ひざ掛けとタオルケット。」
「なんか…色々気遣わせてすみません。」
「何言ってんのよ。あたしはマネなんだから、部員の心配するのは当たり前でしょ。」
まゆをハの字に下げる恭汰に、あたしはニコッとほほえんだ。
それに、“色々気遣わせてすみません。”なんて、恭汰があたしに言う言葉じゃないでしょ。あたしの方こそ、恭汰に言わなきゃなんない言葉だよ。