「高体連だって近いのよ?風邪なんてひいたら、シャレにならない。」
恭汰だって海星の大切な戦力。
そんなリスクがあるようなことをみすみすさせるほど、あたしは堕ちたマネではない。
「でも陽路先輩…。」
「ん?」
何かを言いたそうだけど、なかなか言いにくそうな表情を浮かべる恭汰の声に、耳を傾けた。
「気持ちはすっげー嬉しいんですけど、朝起きて俺が部屋にいたら、他の人に陽路先輩が何て言われるかわかんねぇだろ?寿也のこともあるし。」
恭汰はそう言って苦笑いを浮かべる。
あたしのことなんて気にしなくたっていいし、寿也だって事情を話せばわかってくれることだろうに。
ここまで後輩に気を遣わせてる自分が、また情けなくなった。