「ありがとうございました。またのご来店、お待ちしております。」


店員のマニュアル通りの言葉を背に、小さく伸びをする。
どうやらあたしは、自分で思っていた以上に精神的に病んでいたようだ。
何もかも忘れたくてはしゃいだ結果、残ったのはけだるさと虚無感。結局、何をしたかったのか。


「大崎先輩、大丈夫ですか?」

「ん〜。大丈夫。」


明らかに騒ぎ疲れたあたしは、店を出た瞬間昭文に心配そうに顔をのぞき込まれる。
「心配すんなっ。」と付け加え、心中を隠してとりあえず笑みを返した。

――でも。

やっぱり違和感が残る、ハイテンションだったみたいで。
このときまた、みんながあたしを心配そうに見つめていたことに気づかなかったあたしは、どんなに自分本位で最低な女なんだろう。