1週間後、入学式当日。
高校生らしく、髪はしっかりストレートに。うん、真っ黒な髪、かわいいよ。
スカートは、思い切って1回巻いちゃう!
「………う~ん」
でもやっぱり膝が出るのは落ち着かない。目をつけられるかもしれないし。…やめとこう。
ふと時計に目をやると、
「7時45分!?」
式は確か9時から…
「遥~もう45分よ~!」
もう遅いって!
駅まで20分、電車で1時間と10分、駅から5分。完ッ全に遅刻だ。
おこづかい使い果たして買ったピカピカの革靴を履いて、そうだ、もうかかと踏まないようにしなきゃ。
7時50分、やっと家を出る。
無駄だと分かっているが、全速力で駅に向かう。
「こう見えて持久力はあるん…だからっ!」

どんなに速く走っても、電車の速力は変わらない。
着いたのは9時12分だった。
「はぁ…」
息を切らして学校案内図を見る。体育館へ歩き出そうとしたその瞬間、
「ねぇ、あなた1年生だよね?」
後ろから声をかけられた。