「なんかテンション低い?」
ポツリとつぶやいてみる。
「えぇ~?いつもあんな感じじゃない?」
「あたしもそう思う」
意外にも柚華からも絢香からも反論されてしまった。
…そうかな?
「おっ、よく気付いたね?こいつ、朝めっちゃくちゃ弱いんだよね」
「………………………」
本当に元気ない。ちょっと言ってみただけなのに。
「ふぅん?てか、ハルすごいねぇ?洞察力!」
あんなの誰でも分かると思うけど、それは言わなかった。
「んじゃ、始めますか♪見て見てみんな、俺場所取ったの!チョーいい場所でしょ?」
大きな桜の中でも一際目立つきれいな桜。確かにすごい。いつからいたんだろう?
ビニールシートを広げ、お花見…じゃなかった、『顔合わせ会』が始まった。
「はーいまず俺ね!1年4組三浦 輝でっす、よろしくぅー♪みんな輝って呼んでねぇ!」
「同じく1年4組村上 柚華で~す☆」
「ほらぁ潤も!」
「ん~………1年4組榊原 潤…です…」
「ちょっと潤~!」
「それはないだろ~」
みんなからは大ブーイング。
「じゃあ次あたしかな♪えっと、1年5組桃瀬 絢香です、よろしく!」
着ているピンクのスカートの両端を持ってヒラリと広げる。
「絢香ちゃんいいねー!」
かわいい仕草に、男性陣(っていっても三浦だけだけど)、大盛り上がり。