「あたしのじゃないよ?」
「は…?」
あたしはキーホルダーなんて持ってない。なんでわざわざあたしに?
「あ、それ俺の♪」
後ろから三浦がキツネをひょいと奪う。
「違うよ、こんなの絶対シュミじゃないじゃん」
「………………」
潤は何か考えこんでる。
「俺のだって!な、潤?」
「……あぁ、確かお前のだったな。返す」
あれ?
おかしいな、冗談だと思ったんだけど。
潤だってあたしより、絢香や柚華の方が持ってそうなのに。


――数日後、お花見当日。
「んー!いい天気」
「お花見日和♪お花見日和♪」
柚華ぁ、前見ないと転ぶよ?
ズデッ!
「んがぁ!」
ほら。芝生で良かった…。
「でもお花見日和だとさすがに、客!多いねぇー」
確かに多い。場所はあるのだろうか…?
「やーほー☆」
「………」
「遅ぇよバカ!」
向こうの方で手を振る3つの影。
「輝くんだぁ♪」
「璃久もいるよ!」
いつの間にか学校の美形トリオで騒がれている3人の登場。
まぁ、あの2人ならテンションも上がるか。
三浦に璃久、って事なら残る1人は…
「ほら、潤!主役の登場だぜ!」
「………………」
やっぱり潤だ。