「あ、遥ぁおは♪」
「おはよー絢香っ!」
今日は時間どおりに登校。
といってもチャイムの5分前、ギリギリセーフ。
「キャーッ!」
「かっこいい~!」
女子の黄色い歓声。
「さっきからうるさいなぁ、…でもかっこいい人ってちょっと気になる♪」
かっこいい人なら誰でもいいの?
まぁあたしも、気になるけど。
「あれ?あの人って」
「ん、何?」
背伸びして人混みの奥を見ると、昨日の不良がいた。
「あの時の不良だ。…へぇ、よく見るとかっこいいじゃん」
ホントだ、よく見ると整った顔立ち。
「キャーッ、こっち来てない!?」
…え。
まさか。
「遥、あの人こっち来てる」
絢香も昨日の迫力を覚えているらしく、苦笑い。
でも確かにあたしのクラスに向かっている。
「教室、もどる?」
「…そだね」
その時だった。
「!」
不良と目が合ってしまったのだ。
「おい、お前っ」
人混みを掻き分けてこっちに向かってくる不良。
「絢香~っ」
絢香はちゃっかり教室の中に避難済み。
手を合わせて口パクで『ごめん☆』…。
「おい、これ」
気付けば不良は目の前にいた。
手渡されたのは一枚の紙。