担任の長ったらしい話も終わり、帰り際、みんなで別れを惜しむ時間になった。
「遥ぁ~」「離れたくない~っ」
なんて言いながら、泣きじゃくる友達たち。
「お前らの事、忘れねぇ~っ」
なんてクサい事言う男子。
「遥~~~!!」
なんて言いながらこっちに来るお母さ…
え、お母さん!?
息を切らしながらあたしに手渡したのは、本屋の袋。
「これ…?」
中には女の子向けの雑誌が、一冊。
これ、あたしが一番欲しかったやつだ。
うれしい。すごくうれしい!
「卒業祝いよ」
そう言ってお母さんは微笑んだ。
本屋は隣町まで行かないと無いのに…600円もしたのに…。
ありがとうお母さん、大切にするね。


28のメッセージが綴られた決して厚いとはいえないアルバムと思い出を胸に、自分の家に帰る。
布団に入り、お母さんからもらった雑誌をさっそく開いてみる。が!
「何コレっ!?」
モデルの女の子…お化粧してる?
しかも髪の毛…茶色いですよ??
あと、まゆ毛ない…よね???
この人ホントにあたしと1つ違い……?
恐る恐る次のページを開く。
…はいぃ?
ど、毒、読モ??
新しいページには『読モ』と称される1人の女の子の全身が写っている。