―チンッ

ピンクのトースターが
“焼けたよ”と告げた

それからトーストを取り出す

トーストの焦げたにおいが部屋中に充満して、むせるような香りがふんわり漂う


「ゆーう!パン焼けたよっ」

ベッドで寝ている恋人、優の体を揺さぶりながら起こすも、優は唸るだけでなかなか起きようとしない

「もー優っ!」
「ん~うるせー…」

ちょっと、うるさいとかショックなんだけど…


優はご覧の通り、寝起きがべらぼうに悪い

普段は見ているこっちが背筋がのびるほどピシッとしているのに、朝になるとコレだ


優と初めて迎えた日はそのギャップに「可愛い」と思えたのだが…


「優ー起きないとパンが冷めちゃうよ‥」