いつかは来るだろうと
ぼんやり思っていた
両親の病気・・・

それが、明らかに
簡単な類の病名ではない事は
ど素人でもわかった。

それは、「死」を連想させる
響きをしっかりと持って
ヒロの目の前に
どっかりと座った。

「ご遠慮ください」
とか「時間をください」
とか、頼んでみても
ずうずうしく家に上がりこんで
動かない不意の客のようだった。

明らかに
「招かざる客」がそこにいた。

みんなで力をあわせてかかっても
決して動く事のない
手ごわい客だった。

私たちの闘いが幕を開けた。

その瞬間に
容赦なくゴングが鳴った。
田上家 VS 膵臓がん

どちらかを殺すまで
途中放棄できない
苛酷過ぎる試合が始まった