ヒロは思わず、
持っていた携帯を落としそうになった

「え?それ、ほんまなん?」

「うん。
今日検査結果が出て
家族も呼ばれて告知があったん」

ヒロは、にわかに信じがたい思いで
もう一度聞いた。

「ほんまにパパが膵臓がんなん?
確かなん?
何かの間違いじゃ・・・」

「それが、背中が凄く痛くて
近くの病院行って検査したら
ほぼ間違いないでしょう、
って言われてな。
それで、
もう一度ちゃんと検査するために
今の病院紹介してもらったんよ。
それで、三日間検査して
今日告知があってん・・」

ヒロは絶句した。

「パパはそれを・・・?」

「うん。知ったはる。
一緒に聞きはったから・・・」

これが
すべての始まりだった。