私と晴斗のお母さんは、病院を出て近くのカフェに行った

「愛莉ちゃん」

「はい」

「そんなに緊張しないでいいわよ」

「はい
あの、話って何ですか??」

「私、愛莉ちゃんが羨ましいなぁって思ったの」

「どうしてですか??
私、晴斗に忘れられちゃったんですよ??」

「だから、羨ましいのよ」

「それってどういうことですか??」

「あのね、お医者さんが言っていたんだけどね
晴斗は記憶喪失らしいの」

「やっぱり...」

「でもね、晴斗は私のことも自分のこともちゃんと全部覚えてるのよ」

「忘れられちゃったのって私だけっとことですか??」

「そうなの
晴斗の記憶喪失は一部だけなの」

「何で、私だけなんだろう??」

「それはね、愛莉ちゃんが一番大切な人だからよ」