「良い男揃いだろ~?うちの野球部!」


急に耳元で囁かれ、思わず持前の反射神経で右へと飛びのいた。

「ちょっ、いきなりなんなんですか!」


「ごっめん、驚かす気はさらっさら無かったんだけどさっ。」



へらへらと笑う目の前の人。
第一印象はかなーりチャラそうな人。
多分先輩っぽくて、肩から「若村高校野球部」と刺繍の入ったスポーツバッグを提げている。


間違いなく野球部関係者だ。



「あんっまりに熱心に見てるもんだから入部希望者かと思って声掛けたんだけど。違った?」


「いえ、その…」


「お願いっ!うちんとこのマネジ、人数足りなくて困ってんの。
こーんな可愛い子が入ってくれたら部員の士気も上がるし!」


「あのー…」


「あ、俺は山本亜蘭(やまもとあらん)。
よっしとりあえず行こうぜ!話は後だっ」


「え、えええええちょっと先輩!」



そう言われて先輩に腕を掴まれ、走りだした。


これってもしかして・・・
えっ、そういう展開!?