傍にいた女の人はいきなり立ち上がって

私の肩を一度強くひきながら通り過ぎて行った。


その数秒の間
小さく私の耳に響いた彼女の声。



「まじうざいっツーの」


何だか怒ってるような怖い声だった。


ドカッ―――!



彼女が図書室を出て行く音がする。