ガラッ―
「・・っぶね、セーフ!?」
ドアにぶつかりそうになりながら、海輝が教室に飛び込んできた。
教卓にはまだ担任はいない。
切らした息を整えながら自分の席へ向かう。
「毎日慌ただしいなあー。」
剛弘が呆れながら声をかける。
海輝はその後ろの席へ座った。
「ちげーよ!今日は朝早くから学校きてたもん!」
「声でかいよ・・・」
必死に説明しようとする海輝を隣の席の紗季が止めた。
確かに海輝の声はでかすぎる。
そのせいで後ろの席の空が目を覚ました。
「るせーよ。」
「ちょっと空聞いてよっ」
剛弘と紗季に説明するのを諦め、空に話だそうとする海輝。
誰かに聞いてもらわないと気が済まないようだ。
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