また3人で盛り上がっているが、今度の剛弘は怒っていない。
むしろ、黙っているがひとりでテンションがあがっていた。
「たけちゃんだって・・・」と呟いていたことは誰も知らない。
「私、葵となら仲良くなれそう」
紗季がにかっと笑う。
「あたしも。紗季と話すの楽だもん」
葵も笑う。
「俺は混ぜてくんねーの?」
海輝が頬を膨らませる。
「えー、海輝はなあ・・・ねえ、葵?」
「うん、ちょっと海輝は・・・」
「なんでー!?お前らひどくね?おい、たけ聞いてよー」
「・・・」
「・・・たけちゃんどうしたの?」
「・・・知んね。ほっとけ」
「ほっといていいんだ?」
「大丈夫だと思うよ―」
そしてこんな会話がされていることを、もちろん剛弘は知らなかった。
これが、『中島紗季』と
『水野剛弘』との出逢いだった。
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