夢の舞台はいつも決まっている。

霧の立ち込める森の中。

主人公は小さな女の子。

向かい合う相手は

白く長い髪を背に流した背の高い男。

顔立ちは霧に隠れてよく見えない・・・

「れん?」

「よう。今日はなにして遊ぼうか?」

「じゃあ、かくれんぼ!」

ふたりは楽しそうにかくれんぼを始めた。

「れんがおにね!」

「よーし、じゅう数えたら探しに行くぞ!」

女の子は男が数を数え始めると、一目散に駆け出した。

「なーな」

ソッチニイッチャダメ

数を数える声が
次第に錆付いた耳障りな機械音のように
変化して視界が赤く霞む。

「ハーち」
「アハハッ」

ソッチにイクト

「きゅーウ」
「レーン」

ダメ・・・・

「ジューウ」

「モウ、イイカーーイ?」