「いやーーーーッッ!!」

どっぽーん!!

ど派手な音をたててあたしたちは噴水に頭から飛び込んでいった。


・・・あたし頭おかしい人に関わってしまったかも・・・
真冬の噴水に飛び込むとかあり得ないでしょ。





・・・・あれ?




 噴水。
 そんなに深くないはずでしょ?

 なんでこんなに底が遠いの?
 まるで井戸みたいに底が見えない。

 ごぼごぼっ

 首をそらして彼の顔を見上げる。

「もう着くから。」

「?!」

 今、決まった。
 この人、人間じゃないでしょ。
 だって。
 人間は水の中でそんなはっきり喋れないよ。

「ああ。あった。」

 彼は澄ました顔で壁面にあった扉の取っ手に手をかける。

「あきるから先に入って」

 あたしは背中を押されるまま、扉をくぐる。

「あ、段差あるから気をつけて」