だって。
 夢に出てきた人が目の前にいて。
 
 そういえば日本人じゃないよね。
 その髪。その瞳。

 なんで?
 熱があがりすぎて
 夢と現実がごっちゃになってる?

「あ、そうか。夢、だよね」

 あたしは、あははと引きつった頬で笑う。

 が。
 白い髪の男は首を傾げて言った。

「夢じゃないし。
 あと。僕は『れん』じゃないよ」

「・・・・よく・・・わからない」

「あきる。とりあえず時間がないんだ。話ができるところまで着いてきて。」

 彼はカタンと軽やかな音を立てて椅子から立ち上がった。