「鍵……」


監禁ようにした内側の鍵


ヤッベ、掛けっぱなしだったと思い


……鍵、どこに置いたっけ


などと、己の馬鹿さを呪った


まずい、本気で脱出不可能な部屋に


「あるわよ、鍵」


なる、と思ったことは間違いだった


へっ、と見れば彼女の手には確かに鍵がある


どこで見つけたんだ顔をしていれば、彼女は呆れたようにため息をついていた


「今度から、ズボンのポケットに物を入れっぱなしにしないことね。ティッシュが入っていたら、殴るところだったわよ。

――間抜けな犯罪者さん」


皮肉げに、彼女は言っていた


間抜け
確かに、監禁……になるかは微妙だけど。監禁する側として、鍵を取られてしまうとは


間抜けだと、何度も思う