罵られるも、どことなく嬉しく感じられた


ぶっきらぼうめいた言葉を言う彼女は、どこか落ち着きがない


『恥ずかしいだけだから』


そんな彼女に、先輩の台詞が当てはまった


……不謹慎かもしれないが、その姿に可愛いと思ってしまう


恥ずかしがる必要なんかないのに


俺をここまで喜ばせてくれるんだから、お前のやっていることは最高のことだ


胸内だけで言っておく

言った瞬間に、恥という名の暴力を受けると思ったから


ただ


「ありがとな」


これだけは声に出さなきゃと伝えておいた


「……お礼なんか、いいから……………早く、元気になってよ。――って、ともかくも!行くから私っ」


ふん、ときびすを返す彼女


玄関に向かう姿に、あっとあることを思い出した