━━━━━━━━━━
━━━━━
高校二年
入学したての初々しさもなく、将来への不安もどうにかなるだろうで済まされる、中弛みの時期。
一番最高に楽しめる時期。
ホームルームが終わった後の廊下に響くミーハーな声。
その中心にいるのは
秋吉遼太郎…26歳
クラスの担任。
甘いルックスに親しみやすい笑顔の学校の人気者。
「先生、田中先生が呼んでましたよ。」
私の声にハッとして頭を掻いた。
「あ、そうだった!テストの範囲表…あれ?どこやったっけ…」
慌てて探し出した先生に、それを手渡すと、ほどよく焼けた肌に、白い歯が光った。
「おっ、サンキュー!どこにあった?マジで助かったよ〜。」
「どういたしまして。」
そう言って微笑み返せば、
「いつも佐山には助けられちゃって…、先生嬉しいぞ」
満面の笑みでガシガシ頭を撫でてくる。
「先生、それそのまま出すんですか?」
「そのつもりだけど、何で?」
…何でって…この人、その紙を私が見ちゃったかもとか考えないのかな。
音楽準備室なんかに置き忘れたほうが悪いんだろうけど。
「じゃお前ら、二時間以上の寄り道は禁止な」
「きゃはは、何それ〜、」
何となくだけど、人気があるのは分かる気がする。
でも、生徒を寛大に信じてる的な熱血漢も、生徒のよき理解者的な正義感も、私には少し眩しすぎて
そんな先生と同じ秘密を共有してみたいって思った。
━━━━━
高校二年
入学したての初々しさもなく、将来への不安もどうにかなるだろうで済まされる、中弛みの時期。
一番最高に楽しめる時期。
ホームルームが終わった後の廊下に響くミーハーな声。
その中心にいるのは
秋吉遼太郎…26歳
クラスの担任。
甘いルックスに親しみやすい笑顔の学校の人気者。
「先生、田中先生が呼んでましたよ。」
私の声にハッとして頭を掻いた。
「あ、そうだった!テストの範囲表…あれ?どこやったっけ…」
慌てて探し出した先生に、それを手渡すと、ほどよく焼けた肌に、白い歯が光った。
「おっ、サンキュー!どこにあった?マジで助かったよ〜。」
「どういたしまして。」
そう言って微笑み返せば、
「いつも佐山には助けられちゃって…、先生嬉しいぞ」
満面の笑みでガシガシ頭を撫でてくる。
「先生、それそのまま出すんですか?」
「そのつもりだけど、何で?」
…何でって…この人、その紙を私が見ちゃったかもとか考えないのかな。
音楽準備室なんかに置き忘れたほうが悪いんだろうけど。
「じゃお前ら、二時間以上の寄り道は禁止な」
「きゃはは、何それ〜、」
何となくだけど、人気があるのは分かる気がする。
でも、生徒を寛大に信じてる的な熱血漢も、生徒のよき理解者的な正義感も、私には少し眩しすぎて
そんな先生と同じ秘密を共有してみたいって思った。