「シンもたまには顔出せよ。」


「…そうだな〜…可愛いウェイトレスがいるってんなら考えても…」



…いるよ…とびきり可愛いのが



「…お前はそればっかだな」



でもそんなの言えるわけない


俺の生徒なんだから



「なぁそろそろ行けって、オーナーずっとコッチ見てんぞ」


これじゃまるで俺が引き留めてるみたいだ。


「ああ、アレね、俺じゃなくて遼太郎のこと待ってんだよ。」


「は?」


「さっき、俺の変わり、遼太郎に頼んだって言っといたから。」


「……何言っちゃってんの」


オーナーを見れば明らかに俺に向けて手招きしてる





「たまにはいいだろ?モヤモヤとかムラムラとか全部吹っ飛ばして来いよ。」



「…ムラムラって違うだろ」


サングラスとキャップを外して、無言で差し出す悪友。

俺の立場を考えた故のさりげない気遣い


モヤモヤもムラムラも…


吹っ飛ばして



「ブレンドでもかましちゃってくださいよリョウさん♪」



もしかしたらコイツには見えたのかもしれないな


俺の中の吐き出さなきゃならない感情が。