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「なぁ優梨、エッチってどうよ」
「…っ、紀之はしたことあるの?」
「したことねぇから聞いてんじゃん」
「何で私に聞くの」
「お前モテるから」
「…何それ」
「なぁ興味ねぇ?」
「…興味がないってこともないけど…」
…興味はある
彼氏が出来た友達が眩しく見えるのは、やっぱりそういうことなんだろうと思うし。
綺麗になりたいと思うのは、女の子として当たり前のことで、私だって可愛くなりたいとか、キラキラしたいって思う。
「優梨…俺のことどう思う?」
「どうって…」
「嫌い?」
嫌いだったら高校受験を控えたこの時期に遊んだりしない。
「嫌いじゃないよ」
でも特別な意味での好きでもない。
「ならさぁ、俺とエッチしようぜ」
「えっ!?」
「気持ちいいらしい、…綺麗になるらしいぞ。」
「紀之、綺麗になりたいんだ?」
「バカ、ちげぇよ。綺麗になんのは…優梨だよ。」
私を抱き寄せる紀之の腕が、ガキ大将だったあの頃よりもたくましくて
近づく顔が、見たことないくらい真剣で
応えを言う前に、私の唇は紀之の唇で塞がれてた。
…思えば昔からそうだ。
新発売のお菓子も
話題になっているゲームも
うまいらしいとか、マジでハマるらしいって、いつも紀之が教えてくれて
紀之のオススメは
全部アタリだった。