『体育祭の出し物について』


黒板にツラツラと書いていく佐山


「何かいい案があったら挙手してください。」


何人かの手が挙がり、出た意見を纏めながら黒板に書き足していく。



いつ見ても優れた統率力に脱帽…


俺の出る幕は無さそうだ。





「佐山、ご苦労様。」



「さっきの結果、田中先生に出すの忘れないで下さいね。」


「はい。…どっちが先生だかわかんないな。」


「ふふ、しっかりして下さい。」



にこっと笑う佐山を見て、眼鏡外したらもっと可愛いのに…なんて思う俺って…



…やっぱりマズイよな


…無いよな



「秋吉先生〜」


「おう、どした?」


「今日の部活のことで…」



他の生徒と話している間も佐山のことが気になる。




クラスで佐山の次に頭のいい男子生徒のノートを見てやる優しい佐山




…あっ…近いだろ




近くにいる佐山に顔を赤くする男子生徒



…ああいうのがきっかけで付き合ったりとかな…



…はぁ…なんなんだこの切ない気持ち



意思とは反対に膨らむ気持ち



…それを認めたらきっと俺は先生じゃなくなる。


それだけじゃない



佐山だって…