セリは、手を離そうとした(起こして貰う時に、握ったままだった。)私に向かって言う。

離そうとした手を、ギュッと、逆に強く手を握り込まれ、私はびっくりしてセリを見る。

「リールさん、付いて来てくれますよね」

潤んだ瞳でのぞき込まれ、否やを唱える事が出来ない。

零れ落ちる直前の雫が、フルフルとセリの瞳の上で震えているのをみつけ、酷く狼狽する。

(なんで、私?)

思いつつも、これ以上何処に向かえば良いか分からないのと。
一人で居るよりは良いかとも思う。

(だけど…)

「ガルンを探す」

セリは納得したように頷いた。

「なるほど、それでリールさんはここに居たのですね」

「どうして」

そう思うのか?

「迷子の顔、してますよ」

ツンと鼻をつつかれた。

「分かりました、やっぱりあたしと中央広場に行きましょう」

首を傾げる。

「中央広場まで付き合ってくれたら、一緒にガルンさんとやら、探すの手伝いますよ」

コクリと頷くと、セリは花が綻ぶように笑った。

「じゃあ、早く行きましょう。」

セリは私の手を掴んだまま、グイグイと歩き出した。

私は引きずられるように、中央広場へと向かった。