なんでこんな無駄に広いんだよあのバカ理事長!
廊下の長さに悪態つきながらも、足は止まらない。
本当に襲われてんのかはわかんねぇし、
場所だって嘘かもしんねえ。
てか、まずアイツが俺のこと必要としてるのかすらもわかんねー。
だって、何で、絡まれたってこと俺に言わないんだよ。
朝比奈と仲いいし。
名前呼んでもくれねーし。
………………つうか。
「……俺、ガキくさ」
自嘲気味の笑いが漏れる。
さっきから、なんでこんな必死なんだか。
――まあ、城山愛を守ることぐらいが『あの人』への恩返しだし……
それに、俺はコイツの執事だし。
到着した校舎裏。
城山愛の首に噛みつく野郎の体を蹴り飛ばした。