どれがいい…って、何が。
「デブと、不細工と、変態と、ドSと、俺。誰がいい?」
「…え?」
ますますわからん。
「普通科のヤツらは、執事を絶対につけなきゃいけないんだ。でも、執事科のが人数が幾分か多い。だからご主人様に選ばれなければ、余る。選ばれなかった落ちこぼれがこいつらだ」
……デブに不細工に変態にドS………なんとも選ばれなさそうなラインナップだな。
「…あんたは?」
「俺は、契約を申し込まれても断ってきたクチだ。落ちこぼれじゃない」
へいへい。
「……で?」
「で、ってオマッ…わかんねーんかよ」
何を。
私は首を横に倒す。
早坂爽はため息をついた。
「…だから…」
早坂爽の手が伸びてきて、私の頬に触れた。
「俺に契約申し込まれるなんて…光栄なことなんだぜ?」